Swizerland Day67

朝から強烈な雨が降っていて雷と共に目が覚めた。Afmadに教えてもらったコーヒーの淹れ方を実践してみて、朝食の準備をした。Xaverを待っている間に日記を急ピッチで書いたりしながら彼を待ち、一緒に朝ごはんを食べた。雨が止まないので、彼がパソコンを持ってきて、土や草のアプローチを見せてくれると共に、昨日話していた小さなパスチャライザーについてなどをネットサーフィングした。面白いもので、牛乳の自動販売機を作っている会社がいくつかあり、それらを見たり、パスチャライザーも手作りしている人がいたりで、そんなこともできるのかっ!と一瞬夢が広がったものである。

 


ところで彼は牛にヘイしかあげていない。それもクローバーが多い。タンパクが高いのが問題なんだよねーと言っていたが、ともあれこれは凄いことである。そして出る牛は年間6000kgをちゃんと越している。オーガニックである以上、肥料としては牛が排泄する糞尿しか使えないからだ。堆肥、リキッドマニュア、方法はいくつかあるけれど、土の成分で何かが高すぎたり低すぎたりしても、改善していくのはとても難しい。牛の堆肥はカリ過剰になりやすい。また追肥もマニュアのみで草の栄養価を維持していかなければならない。アメリカからたくさん飼料輸入してコストがかさむ上に、栄養を持ち出して日本の土へ還元する…、栄養補助剤を使う、ホルモンを使って繁殖をコントロールする、ほんと何やってるんだろ。

 


また彼は飼料計算や土壌分析、政府に報告する用紙などを見せて説明してくれた。エクセルもデスクワークもできなきゃあかんなぁ、と改めて肝に命じた。

 


10時半頃に雨が止み、ギシギシの除草に出かけることに。と言ってもXaverが地上部を大鎌で刈り、私が集めるというもの。時々小雨に打たれながら、作業をして、それが終わったら電牧をはり(スイスは針金を使っている。なかなかハード)、その後少しトラクターを移動させて14時ごろ昼食。

 


お昼の後、Xaverの色々なところを旅した話になり(彼はスイスからインドまで陸路で横断したり、インドのNGOで働いたり、またまたエジプトからケニアまで縦断したりしていて、バックパッカーの大先輩であった)、彼が編集したビデオを色々見せてもらった。こういう風に記録に残していること、また人に見せられること、凄いと思った。彼のハングリー精神はここからきているなぁと思える内容で、三輪車であらゆるものを輸送していたり、生活の内容、人の多さ、交通渋滞、家畜の扱い、旅行者目線ではなくありありとリアルだった。もっと見たかったのだが、時間も時間なので切り上げ、午後の搾乳の時間まで1時間強、日記を書いたりして過ごした。

 


搾乳はほぼ任されるようになった。だからといって高名の木登りになってはいけないが、任されること、主体的に動けることが嬉しいし、規模が小さいかつ手作りな部分が多いので、色んなものの基礎が分かって楽しい。1000頭搾ろうが10頭だろうが使う機械は一緒なのである。搾乳を終え、牛たちを放牧場に出し、SF(スイスフラッフィ、シメンタール×レッドホルスタイン)の毛並みが綺麗だと眺めていると、ブリーディングの話へ。どこの国も日本の和牛ほど血統にこだわっていないし、肉牛はなおさらである。シリアンというストローを何本か使っているよと。シリアンとはシメンタール、リムーザン、アンガスの精液をミックスさせたもので、子牛の色を見れば、どの精子が受精したのか大体わかるが、何故ミックスさせるのだろうか?受胎率が上がるらしいが、何で??と疑問がいっぱいなのだが、とにかく日本ではありえない!宮城で証明書の偽装があったらしいが、この国ではあまり関係なかった…。

 


部屋に戻り、夕食はXaverが作ったバックウィッドのパンとキュウリやチーズで適当に食べ、その後ビデオの続きを22時頃まで見せてもらった。明日はSpeerという山を登りにいくらしいが、8時間くらい歩くみたい。クライミングスポットもあるらしいが、大丈夫かなぁ。明日に備えて寝ることにする。

 

f:id:N5-phage:20190818024507j:image
f:id:N5-phage:20190818024337j:image
f:id:N5-phage:20190818024421j:image
f:id:N5-phage:20190818024404j:image
f:id:N5-phage:20190818024411j:image