Swizerland Day61

Xaverは古いハーベスターを持っているので、今日は1時間ほどドライブして知り合い農家のディンケル（小麦の一種）収穫のコントラクターを請け負うようだ。ついてくるかどうするか聞かれたが、一日中ハーベスターを眺めるだけになるだろうということで、Ganterschwilの村を歩いてみるよ、と言うと彼の母のIngeが私が案内してあげる、ということになり、ハイキングへ出かけることに。

この村は丘が連なったようになっており、昔に建てられた家々も多い。古いものだと築500年とかある。500年って…すげぇよ。ちっちゃな木のピースが外壁を覆っている家などは圧巻。またビーホテルが壁に飾ってあったり、クジャクを飼っている農家がいたり、写真をぽつぽつ撮りながら丘を登って森の中へ。近所の人が作ったという手作りの教会が牧草地にポツンと建っていてそこで休憩した。デンマーク人もそうだったが、一通りは自分でやってしまう精神が凄い。昔も日本人はそうであっただろうに…。森の中でも階段、スロープ、洞窟のレストランなど、近所の少し変わっていると言われる人物作のものがあちこちにあった。プロ顔負けの仕事ぶりである。彼のお陰で森のハイキングが簡単にできるので感謝しなければならない。森を抜けると丘の上に建っている村唯一のレストランでシャーレーを飲んで休憩。Ingeは自然の動植物について詳しく知っていて、あれこれ教えてくれようとしたが、お互い英語が達者ではないのでちぐはぐした。

Xaverの牧草地や小麦畑を横目にして、途中教会に立ちよったりしながら、家に帰ってきたのは14時半だった。15時に昼ごはんを準備するから、と言われベンチでポストカードを書いていると、部屋を借りている住人のひとりのPatriciaが帰ってきて、初見だったので挨拶して少し話した。彼女は顔も性格も美人だった。

お昼は夏野菜と米と豚肉をエスニックに似たやつでアジアンテイストだった。Xaverは昔ビーガンで今はそうではないが、肉や卵はほとんど食べない。インドやアフリカを旅した時に、肉を食べることで何人分の食料を奪っているのか？を考えたことによって、肉を食べなくなったらしい。確かにそうであるし、グラスフェッドでなく、濃厚飼料をあげることでそれはますます酷い状況である。ただ、ベジタリアンへのハードルはそれほど高くないが、ビーガンはかなり制限されるので私はなれないと思う。

17時半から、Xaver父と一緒に搾乳をした。彼は英語が通じないので、身振り手振りでなんとか意思の疎通を取った。彼はフォークやバケツの絵を紙に描いて、横にドイツ語の名前を書いてくれたのだが、単語が難しくて覚えにくい！ブツブツ口にする出して読んだ。ちょうど搾乳が終わった頃、Xaver帰還。ハーベスターの掃除を手伝って！と言われて、昔の掃除機で収穫槽に残っている穀粒を吸引した。少し修理しなければいけないと言って彼は折れ曲がったハーベスタの前方部分を外して持ってきた。すでに主要パーツはなくなっており、倉庫にあるものでなんとか模倣パーツを一から作るという。すると彼はガラクタ箱から薄めの鉄板やトーチ棒のもっと太い感じの鉄棒をダイヤモンドカッターで火花を散らしながら切ったり、ガス溶接をして新しくパーツを作っていった。火花を防ぐ白衣のような服を着ている彼を後ろから見ていると、まるでマッドサイエンテストに見えた。ただやっていることは凄いし、様々なスキルが問われるし、鉄材を切るという作業は私は嫌いである。見ているだけでうわっ！と思ってしまう。けど、農家になるなら…と思いながら見ていた。

小1時間ほど、溶接の光を見ないようにしながら見学していると、形になってきて反対側の見本パーツと相違ないものが出来上がった。ハーベスターを見ると、そんなような箇所がいっぱいあって、長い期間かけて壊れたり直したりを繰り返しながら今に至ることがわかる有様だった。

一足に先に昨日の残り物を温め、夕ご飯の準備をした。時刻は22時頃で、彼はいつも忙しそうだ。夕ご飯を食べながら、明日は自分の畑の収穫だから忙しくなるぞ、と告げられた。ハイ。