Swizerland Day59

今日はDaniela Familyのもとを去る日である。Danielaが仕事に行ってしまう前に、みんなで写真を撮ってもらい、朝ごはんの後、パッキングや部屋の掃除を済ませた。Danielaとは少し話をして、彼女が自ら作った農場のホームページを見せてもらった。こういうウェブ作業も大事だよなぁ。Hanzは畑のトラクター作業に行ってしまうので、一足先にお別れを告げた。Monicaがゲストブックなるものを新しく作ったみたいで、ファーストwwooferとして最初のページに書かせてもらった。バスは10時40分なので、ギリギリまでゲストブックを書いていた。書き終わったのはほんの10分前で、PatricやAnalisとさよならをし、Monicaはバス停まで見送りに来てくれた。思えば3人姉妹の4番目のように良てもらい、何一つ不自由なことはなかった。

 


バスでWinfeldenの駅まで行き、自販機でチョコレートバーを買い、電車の中で持たせてもらったりんごと共に食べた。電車とバスを乗り継ぎ、Ganterschwilという村へ。スイス東北部に位置し、Danielaの牧場からほんの1時間弱なので、そんなに離れていないのだが、ここら辺は丘になっている。天気は曇っていて雨が降ったりやんだりを繰り返していた。

 


新しいホストはXaverという30後半の、父の農場を継いで4年目の新規就農者だった。私と同じくらいの身長で、私より体重が軽いのではないかと思うくらい痩せているのだが、とにかくよく働く。インドやアフリカをバックパッカーで旅した経験があるらしく、以前はヴィーガンだったらしい。趣味で豆腐作りをしている。雨の中彼は一通り自分の農場を説明した後、部屋などを案内してくれた。二階には彼の両親が住んでおり、一階はシェアハウスとして解放しており、私の部屋もそこに準備してもらった。両親の元に連れていかれ、彼の両親と、弟と、飼料庫の修理を手伝いにきていた彼の友人と5人で、野菜たっぷりの昼ごはんを頂いた。

 


その後、彼のお母さんIngeに部屋の説明をされ、飼料庫の修理の見学をした。スイスの牛舎は縦に長く、最上階はヘイをストックしておく場所に一般的になっている。ここの牛舎の構造は面白く、坂道に建てられているので、一階が牛舎、二階が機械庫、三階が飼料庫になっている。上から下まで高さ10メートル。そんな中重い木材の梁の交換を、頼りないハシゴと壁づたいに行うので、本当に凄いとしか言いようがなかった。常に埃っぽく、でも秘密基地のようで、見学しているだけで楽しかった。

 


そして18時頃から搾乳を見学。全部で14頭で搾るのはたった9頭。パーラーは一回につき4頭しかしぼれない。また、手作り感溢れる道具が満載であった。しかし、少ないからこそ、個体のクセを把握して、それぞれに名前も付いている。これらの牛乳はbioで、彼は特にハードチーズを作る工房へ出荷しているため、サイレージも濃厚飼料も使っておらず、本当にヘイだけてあった。それでもMax25kgくらい出るらしい。ほとんどはブラウンスイスかオリジナルブラウンで、一頭だけシメンタールとレッドホルスのF1と、子牛たちはリムーザンのF1がいた。

 


夕方の作業がほぼ終わり、何が食べたいかと聞かれ、何でもいいと答えるとフィットチーネ系のトマトパスタを作ってくれた。食べながら前の牧場では詳しく聞けなかったシンプルな疑問、「政府の補助金はいったいいくらなのか」について聞いてみた。スイス人はなかなか収入のことを話題にしたがらないらしいが、彼は包み隠さずすぐさま経営の収支表を持ってきて説明してくれた。農場にもよるが、bio認証を受けていて、20haで牛が全部で27頭ほど、ほかに小麦や大豆などの穀類を作っているこの農場は、彼の収入=政府の補助金額だった。つまり、この規模でオーガニックでやっていて、政府の補助がなければ、収入がゼロに近いということであった。なるほどなぁ〜、と初日から夜遅くまで色々説明してくれた。23時過ぎに寝た。

 

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