Denmark Day28

今いる牧場はOsteriet Hingeという。私は数年前、この牧場について書かれたブログを読んだことがあり、印象的だったので覚えている。その牧場に自分がいるなんて…。農家たちの寛容な懐ぶかさに感謝である。チーズも自分たちの牛乳を使って2人の職人が作っている。生乳を使うチーズもあり、認証は難しかったそう。自分のところのショップと、オーガニックデイリーカンパニーであるnatural milkに週に一度出荷。月曜日にチーズ作りを見せてくれると言う。

 


4時半から搾乳と哺乳を9時半まで。普段は1人でやるらしく、200頭を1人は大変だ。私は搾乳は無心でやるのであまり苦でもない。好きでもないけど。途中、乳房炎の牛がいた。オーガニックの規定では、休薬期間が通常の倍、ペニシリンなら3日を6日に、コルチゾール系なら2日を4日にしなくてはならないが、薬を使っていけないわけではない。ただし、農家自体が使うのではなく、獣医師を通さなくてはいけない。体細胞高のミルクは哺乳へ、やはり粉ミルクは使わない。調子悪の牛が一頭いて、中年の獣医師がやってきて注射していった。

 


コーヒーブレイクに家に帰り、ライ麦パンやスコーンを食べた。自家製のチーズも頂いた。どうやってオーガニックの基準を決めたのか?や日本が進んでいないのはなぜか?などを話し合った。デンマークは食料自給率300%。より多くを他の国々へ輸出している。牛乳に至っては、国内消費は15%に過ぎない。自分たちの食べるものはより質の高いものへ、環境に配慮されたものへ。この需要があるから価格高めのオーガニックも普及できる。一方日本。自給率40%。ただでさえ食料が足りていないのに、需要はあるのだろうか。いやあるんだろうけれども、そもそも畜産国ではないのだから、いっそほとんどを輸入してしまったらどうか。だってチーズも牛乳も肉もこっちの方が美味しいし、コストの半分を餌代が占めるくらいなら…。と思ってしまう。さらに、今ビーガンブームであり、ヨーロッパ諸国は肉の消費量を減らすよう努力し始めた。日本は何を目指せばいいのだろう。もちろん、人間の健康にも地球にも優しいのは、米が主食の粗食に戻ることだろうが、それは無理であるし、畜産製品のおいしさを知った現代人は、どこまで輸入に頼り、自給するのか…。うーむ、わからない。後、オーガニックでやると言っても、コンベンショナルに近いところもあれば、フレデリックのように自分を貫き通している人もいる…。答えなき質問がぐるぐるした…。

 


哺乳を手伝い、15時まで休憩。日記を書くのと、調べ物をして、うとうとしていたらあっという間に時間が来てしまった。

 


パーラーに行くとEvaldの姿がなく少し待った。彼がやってくると、コーヒー飲みに行くけどどう?とのこと。部屋でミックスナッツをたくさん食べちゃったし、マフィンも食べたのでいいと断ると、じゃ先に始めてて、とミルカーのセットをしてまたいなくなってしまった。いきなり任されるパターンである。1人で始めて先発隊が終わる頃に彼が戻ってきた。アイスクリームを持って。え!パーラーの中で食べるの?!片手にアイス、もう片方にデッピングと独特のスタイル。私も渡されて、ごうにいらばごうにしたがえ、初挑戦である。そういえば朝、コーヒーにダイレクトで乳からミルク入れてラテにしていたような…。

 


淡々と作業を進め、パーラー洗浄、哺乳までしたら21時だった。15時半頃始めてこの時間か…。ただ、ワーカーのフルタイムは週数にすればそんなに多くないらしい。2週間のうち、4日はフルタイム、6日は半日、4日は休み。休む大切さをちゃんとわかっている牧場だった。

 


帰ってシャワーを浴び、Erenaがオープンサンドウィッチを作ってくれた。牛肉をハムにしたやつで、めっちゃおいしいやん!1番下の息子さんが帰ってきており、4人で食卓を囲んだ。彼は今日ホルケホイスコーレを卒業して、明日から友達とアイスランドに行くらしい。私も行くんだとは言い出せなかったので、何するの?どこ行くの?というのを聞きながら会話を繋いだ。デンマークビールを飲みながら話していると、やはり、海外農業研修の受け入れ農場だったみたい。そういえば…と思ってYouTubeを開いてみると、紹介動画で彼の姿があるじゃないか…!以前、私はこれ見たぞ。考えを変えて参加しなかったけど、wwoofしながらここにたどり着けてよかったやん、と思った。今年からデンマーク政府の規制が変わったらしく、研修生を受け持つのは難しくなったみたい。

 


23時頃に床についた。明日の朝はゆっくりしていいよと言われたので、6時ごろ行こうかな…。

 

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