Uganda Day97

さて今日から2日間、国際協力財団さんに酪農プロジェクトの視察でお世話になることになっている。約束の時間前に水シャワーを浴び、ペットボトルの水を買いに行った。

 


8時半にSさんが車で迎えにきてくれた。現在家兼事務所となっているそうで、その建物に向かう。到着すると、プロジェクトに関わる畜産関係の大卒ウガンダ人2人と挨拶をし、Sさんから概要の説明を受ける。

 


プロジェクトはアメリカの酪農NPOと合同になって、農家へ乳用牛の貸付を行い、牛乳販売による所得向上を目的とするもの。第2フェーズでは、農家から組合を作り、ヨーグルト販売まで行う予定だという。返済が進まないとか、農家の生活面や農業以外の知識向上、ECFや心水症などのダニによる病気、AIの遅れ、乳量低下、モチベーションの低下、栄養価の向上などなどやることは山積みだという。

 


ミルカーも設備も乏しい場所で、一頭から手絞りし、マーケティングまで持っていくこと。農家間の距離が離れているかつ、道路が道なき道なので集積するのは難しい。AIはなんとプロジェクトスタッフがボンベを背中に背負い、バイクで向かうとのこと。たくましすぎる!NPOなどのパンフレットを見せてもらっていると、バケットを2つ自転車に積み、運ぶ男性の写真が。そうですよね、原点はここからですよね。

 


午前中は打ち合わせや資料作りなどだった。お昼はローカルレストランに連れて行ってもらった。ヤギのスープと米とマトケ(バナナ)。アフリカのご飯は基本、おかず1つプラスてんこ盛りの炭水化物である。米、マトケ、ポショ(トウモロコシ)、キャッサバ、スイートポテトなどなど。オールフードというと、炭水化物全部が付いてくる。これはお腹いっぱいになる。ヤギは思っているほど臭みはなく、むしろラムより食べやすいと思った。

 


午後から農家の視察。第1フェーズで貸付を行った農家を訪れ、あれこれ質問や最近どうなどの話をした。多分、私のためにセッティングして頂いた部分もあったのだろう、本当にありがたいことである。牛舎はそこらへんの木で作られた手作り感溢れるものだが、良くできている。一頭プラス生まれた子牛が大きくなって、今育成牛といった感じのところが多くて、餌もそこらへんの草をバックに一日2袋分くらい詰め込んで持ってきているという感じ。かなり小さいフリージアンである。フリージアンはダニに噛まれやすく、ECFや心水症の抵抗性がないので、放牧は出来ず舎内飼いにしてくれと指導しているらしいが、農家はゼブ牛っぽいローカルの牛と同じように放牧してしまうことも多く、死亡もあるらしい。本当に私個人の意見だが、このような体制ではフリージアンは土地にあってないと思う。草も暖地型だし、そもそも強くない。それよりは現地牛の繁殖成績を上げ、そっちから絞った方がいいのでは…と思ったり思わなかったり。搾らしてくれないのだろうか。アンコーレらしき牛が放牧されていて見に行くと、本物よりも多少小さいものの立派な角、綺麗な柄の皮だった。一緒に写真を撮ろうと試みるも、シャイで逃げられてしまった…。

 


もう一軒は元気なおばちゃんが仕切っていて、将来的に何頭欲しいかとか聞くと3頭でいいとの返事。まぁ、そうだよね。手絞りだし、集乳の技術はまだ普及していないし。

 


そしてもう一軒。ここはなんと、牛の糞を貯めてメタンを発生させ、地下をパイプが通っていてガスが家まで送れるというミニバイオガスプラントが一般家庭にあるという驚き。究極のエコ。これでクッキングするんだよと農夫のおっちゃんがデモを見せてくれた。そして飼料作物でラブラブビーンを育てていた。こちらはまるきり暖地型だもんなぁ。

 


ざっと三軒訪問させてもらったが、ひと昔前に戻ったかのような自給的農業である。ここから組合を作ってミルクを集め、ヨーグルトを作るのか…。日本では農協や既存のシステム、流通、ルールがあるのが当たり前になってしまったが、そういうのができる前はこんな感じだったんだと思う。日本の農業史について勉強したいなと思った。

 


見学が終わった後、宿まで送ってもらい、夕食を買いにスーパーへ出かけた。特にいいものがなかったのでバナナチップとモンスターを買って、いつものロレックスを一枚買って、夕食とした。モンスターを飲んだら全然寝れなくて困った。

 

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