Denmark Day10

少しだけ早く起きて布団のシーツを剥がし、掃除機をかけて部屋を掃除した。朝ごはんの後、身支度を整え、出発の時間まで待っていた。Cloieが仕事を始めたのでみに行くと、鳩が逃げ出していたので捕まえた。

 


MichelとMargretheが駅まで送ってくれる。私たちの農場のどこが印象に残った?と聞かれ、ご飯が美味しいこと!と心が豊かな生活を送っていること、と答えた。正直、一番最初に来た所がここで良かった。つい、長居したくなるほどゆったりとした生活を送らせてもらった。

 


駅に到着し、昨日折り紙で作った手紙を渡し、お別れのハグをして2人と別れた。車から見えなくなるまで手を振ってくれた。駅のホームで持たしてもらったサンドイッチを食べ、明日からはこの大麦パンの少しすっぱい味が食べられなくなるかと思うと少し寂しい感じがした。

 


電車に乗り、3時間ほどかけてHorsensという街に向かう。電車は満席で最初立ち席だったが、トイレ前の腰掛ける所が空いたので座った。後から人が乗ってきてそこの席の前でさえ人が溢れた。景色を見たかったはずなのに、トイレを見つめるという…。

 


Horsensの駅に着き、ホストのボスに電話をかける。妻があなたを探しているとのこと。特徴も伝えぬまま、きょろきょろあたりを見渡すと、小柄なおばさんが恐るおそる話しかけてきた。はじめまして!とお互い確認が取れると、彼女は沢山話し出した。まず彼女はイギリス人であり、今回のボスが旦那さんで、農業学校の農業部門を管理、教えていること。after schoolを説明するために根本的なデンマークの学校制度(あとで特筆する)、今日はホーリーデイなのでスーパーがやっていないかつ、デンマークはお金にも時間にも厳しいこと、などなど。1時間くらい話が止まらず、駅の駐車場で喋っただろうか。スーパーに行かなくちゃ帰れないわね笑、となり、車を走らせた。大手3店のうち、1店だけ開店していた。

 


スーパーに入ると、デンマーク有機農業のロゴがずらり。野菜や果物、パンやジャム、お菓子などの加工品にまで!驚くことに、果物や野菜は内容量が若干有機の方が少ないものの、金額に大差ないことである。ここで1つ目の疑問。デンマーク政府は有機農業を資金援助しているのか?

肉売り場へ行くと、有機農業の品はぐっと減る。スーザンがやってきて各々のロゴの説明をしてくれた。特に肉は、内容量も少なく圧倒的に金額も高くなるのに、消費者がちゃんと選べるように品量もそれなりに置いてあった。EU圏内にも別の有機農業ロゴがあり、ダブルで貼られている場合、デンマーク育ち加工はEU国若しくはその逆、なのだそうだ。

乳製品売り場へ行く。前の農場で飲んでいたロゴ入り牛乳が並ぶ。乳製品は肉よりも品数が多い。ここで2つ目の疑問。酪農は乳房炎や内科系の病気が多発するから、有機でやるのはとても難しいと思うけど、薬やホルモン剤はどうなっているの?夜に話しましょうとスーザンに言われたので、答えはお預けに。

 


話題は学校制度について、まず日本は小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年が一般的であろう。デンマークは6歳、7歳から義務教育スタート。primary schoolは0年生から始まり、9年生まである。(10年間)普通はこれを終えた後、High school(collageと呼ばれる、3年間)、university(5年間)となる。ここでafter schoolという立ち位置なのだが、特別な職業、この学校では農業、狩猟、馬術、アウトドア、写真、プログラミング、家庭科などを学ぶ為に、9年生とプラス1年間をprimary schoolから転校できるのである。なんだかとっても複雑で、これを理解するまで結構時間がかかった…。デンマークはuniversityまで出たら24か25歳が普通。しかもそこまでは教育費無料というのだから驚く。ただし、after schoolは結構特別であるため無料ではない。

 


学校に到着する。ホーリーデイで学生は帰省しており、今晩18時に戻ってくるというから、校内は静かだった。スーザンが校舎や寄宿舎、放牧地など校内を一通り案内してくれた。やばい…ちゃんとした学校じゃん…と少し焦り出す。まだ寄宿舎は開いていないので、校内にあるスーザン夫婦の社宅に案内してもらった。コーヒーを入れてもらっていると、ボス(イヴ)登場。学生であるマウンと共にラップしたサイレージを牧草地から運んでいたそうだ。自己紹介とスーパーで発生した質問の答えをもらう。1つ目のA,政府から1haあたり500DKKの補助あり。2つ目のA,薬は使っても良い限度規定があり、全く使わないわけではないが、ノーマルと比べれば圧倒的に少ない。ホルモン剤はダメ。大手有機酪農では、合わない牛、つまり乳房炎気味で抗生剤を使わないといけないやつは早めに切り捨てる、のだそう。また、豚の方が規制が厳しく、酪農で有機を取るのは比較的簡単だそうだ。

 


18時にトラクターに乗せるから、と言われ彼らは去っていった。スーザンに学校についての説明を受ける。まず1日のタイムテーブルがある。

7:00~7:30 朝食

7:30~8:00 清掃

8:00~8:30 エクササイズ

8:30~9:00 授業準備

9:00~10:00 授業

10:00~10:30 コーヒーブレイク

10:00~12:00 農業実習

12:00~12:30 昼食

12:30~14:00 授業

14:00~16:00 農業実習

                        コーヒーブレイク

16:00~17:00 外掃除

18:00~18:30 夕食

18:30~19:30 自習

21:00~コーヒーブレイク

22:00 就寝

~23:00 教師見回り

 


もう学校じゃん!いやわかってたけど、さぁ…。今までにはないwwoof のホストで正直戸惑う。そして、一応私は先生らしい。学生とは区別される為、部屋や施設は教員用のものを使うこととマスターキーを渡された。後でイヴに聞いたところ、私が初wwoofer であるのでこちら側も手探りな状態であること、学校としては農作業できるボランティアが欲しかったみたいで、過去にボランティアを募集したが、都会から来る人ばかりだったらしく、農業?できないよ!とあまり人気がなかったらしい。ならばとwwoof に募集し、お金は必要なく、食べ物はほぼ自給(この学校で作られた穀物、野菜、畜産物で食堂は賄われている。)でよく、寄宿舎も余ってるし、アコモデーションは提供できるし、いいじゃん、ということであったらしい。また、学生たちは英語を勉強しているので、コミュニケーションの機会的にもいいんじゃね?という感じ。うわー、なんてチャレンジ精神旺盛な…。

 


部屋を案内されシャワーや職員室など諸々の説明を受けたくらいにイブに再び会い、ローダーに乗れよと言われ、牽引からラップサイレージ(スクエア型)を下すことに。農大で何度もやったけど、久々だったかつサイレージが重すぎて後ろタイヤが浮くのでなかなか怖かった。遅かったけど穴は開けず何とかできたのでよしとする。今度は放牧地にサイレージを拾いにマウンが乗るトラクターに同乗。17歳の子となぜこの学校に入ったの?とか牛はどこにいる?とかたわいもない話をして2往復ぐらいした。途中、イヴと見るからに大将的な子が交代したため、私は学生の中に取り残された。

 


夕御飯をスーザンの家でご馳走になり、21時のコーヒーブレイクには続々と生徒が集まり、珍しげな目で私を見る。そりゃそうだろう、オリエンタルな人こっちにいないから。しかも立ち位置がよくわからないし。ブレッドと果物が食べれるようになっており、スーザンが隣に来てくれたので目の前に女の子たちが座ってきた。終始デンマーク語で何言ってんのかわからないが若いなぁと思った。

 


大変残念なことにスーザンは明日から2週間イギリスに帰ってしまうらしいので、今日が最初で最期。スーザンがいないと、明日から不安なんですが…。先生たちの夜の寮見回りについてくるか?と聞かれ、行くと答える。一部屋ずつノックしてちゃんとベットにいるか確認しなければならない。寮は日本と比べてオシャレだと思う。2人一部屋ではあるが、スペースも広く、とても過ごしやすそうだ。

 


一通り見回りを終え、職員室に戻り、私は自分の部屋へ戻った。長い1日だった。やっと寝れる。

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学校のURL

https://bge.dk/