Denmark Day1

今日という日が来た。

思えば20歳の時、海外農業研修の制度があることを知ってから、自分もいつかは海外に行くのだと思ってきた。結局、農業研修には参加しなかったし、トビタテも2度受けたが辞退という形になったし、あの頃と比べれば夢も人生観も少しずつ変わり、ほんの少しは大人になったかなぁと思う。農大の時は編入を辞めて就職してしまおうか、と一度は思ったが、唯一悔いがあるとすれば、海外に一度も行っていないこと、だった。だから学生生活を伸ばし、親の脛をかじりに齧り、畜産を学問的に学びたかったと、程のいいことを外面として言っているものの、外国に行ったり、アルバイトをしたり、日本の南に住んでみたりするのが真の目的だったのだ。だから、この約3ヶ月半の留学を終えたら、もう学生生活に悔いはない、やりきったと言えるようにしようと思っている。

 


とはいえ、期日はいつも迫るようにやって来る。あまり準備ができぬまま、自分で意思で行くと決めたのにも関わらず、直前になればなるほど、金も時間も使っているのにナイーブな気持ちになるのである。言語的なハンデだったり、マイノリティー感やちんちくりんな日本人感からである。意外と繊細なのだ。

 


朝6時、母にバス停まで送ってもらい、空港へ直行。いつもより長い旅になるので、パッキングを丁寧にしたつもりだったが、13kg。今回も中々の荷物だ。フィンエアはまだチェックインが始まっておらず、30分ほど並んで待つ。シェンゲン協定ギリギリの入国かつビザ無しなので、お姉さんから多分大丈夫だけど、入国審査は自分で説明してねと脅された。eチケットをもらい、外国紙幣に両替した。EURとDKKとCHFと、なんだか複雑になってしまったが、全部で10万円分くらい。旅中に追加しないといいけど。

朝ごはんを食べていなかったので、おにぎりを2個買い、噛み締めて食べた。

10時半にテイクオフ。結構日本人が乗っているのであまり緊張もせず、映画を3本観る。女性がバックパックトレイルする話と、ニューヨーカーの独身の話と、eye originという映画。最初の話に勇気をもらう。

窓から下を覗くと、フィンランドの土地は海ではないのに陸が島々みたいになっていて、それらに橋がかかり、島に一つの家と畑が存在しており、見てて飽きなかった。

9時間のフライトでヘルシンキに到着し、トランジットなのだがここで入国審査。パスポートと顔認証を通過した後、最後に審査官にスタンプを押してもらうのだが、滞在はどのくらい?と聞かれ、3ヶ月と答えたらかなり怪しまれた。帰りのチケット見せてと言われたが、一応持ってたけど、9月20日付になっているから、説明が難しいなと思い、バックパックの中と咄嗟に言う。持ち金の額とかクレジットカード持ってるのとか、ホテルは決まっているのとか色々。クレジットの限度額いくらと尋ねられ、すぐにEUR変換できず携帯で計算。とりあえず1枚€2500と言ったら、この貧相そうな日本人を通してくれた。

それにしても、北欧の人はイケメンである。背が高く、顔は小さく、髪の色が金髪だが白に近く、目は透き通るような青で、同じ人間とは思えません。つい、じーっと見てしまう。このルックスかつ幸福度ランキング1位とか、なんなんだろう…もう…。

 


到着は14時半。日本時間で言えば20時半なので、今日という1日がむっちゃ長い。眠いのか腹が減っているのかよく分からない。次の飛行機まで3時間弱あったので、なんとなくお土産屋をぶらぶらしてみると、トナカイの毛皮が売られていて、ほ、ほしい…!と思ってしまった。あとムーミンもね。けどEURを使うのも面倒くさかったし、なんだか胃がキリキリしてきて、搭乗口の前に座って身悶えながら耐えていた。それから眠気がすごく、今日はオール並みに起きているようだ。飛行機の中で爆睡。着陸で目を覚ました。

荷物を受け取り、国鉄に乗ってコペンハーゲンに向かう。切符を買うとき、券売機に紙幣が入らず、隣でやっていた兄ちゃんに教えてもらう。デンマーク語、全く読めないので駅名とか電車の名前とか複雑すぎる…。それでもなんとかコペンハーゲンに到着し、ヨーロッパ版セブンイレブンでサンドイッチと水を買い(高い。かいけいは63DKKだった。1DKK=18.6円)、バックパックを背負って20分ほど街中を歩き、ホステルへ。21時だというのにまだまだ明るかった。

ホステルは迷路みたいで、階段を上ったり降りたり、地下を通り抜けると、10ベット一室の間へ。今日は疲れ過ぎたので、風呂も入らず、メシも食わず寝ます…。

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