福島 Day2

目覚めると5時過ぎ。いそいそとリュックにお茶やらおにぎりやらを詰め込み、熊除けにカウベルをつけて、磐梯山を登る準備をする。隣の車は老夫婦で、寝ぐせがある私を見て車中泊をしたと気づいたのか、一人旅ですか?と聞かれた。ハイ、そうです。これから磐梯山を登ろうと思って…と返事し、頑張ってねと言われる。

磐梯ゴールドラインで、八方台登山口の駐車場に車を停める。一応、登山届を書いておいた。土曜日の朝早くにはまだ人はいなかったが、自分が登る丁度同じタイミングで男性一人と入山。暫く彼の後ろをとぼとぼ歩いていたが、道を譲ってくれたので少し早く歩く。5月の中旬の磐梯山はちょうど雪解けで、まだ雪の残る場所もあり、登山道は腐葉土でぐちゃぐちゃ。雪のない所は雪解け水のせせらぎになっており、運動靴、ポールもアイゼンもなく手ぶらで、地図も持っていないとは、流石に山を舐め過ぎていたと反省する。運動靴が浸水するのは構わないとして、雪道は前の登山者が残してくれた足跡がなければ断念せざる終えなかっただろう…。それから、雪の厚いところでは木々が雪に巻き込まれ大変しなっており、道を阻む。避けたり曲げたりしながらなんとか進んでいく。カウベルの音が自分の存在感を示しているみたいで心地よかった。幸運にも転ばずに約2時間で山頂に到着。残念ながら、半分ほどガスっていて景色は最高!とは言えなかったが、おにぎりを食べながら、8歳くらいの時は永遠に感じられた山道だったのに、大人になってから登ってみると意外にもあっけなかったな、と思ってしまった。しかし登山は達成感があるし、誰にでもしやすいし、いいなぁと思った。百名山を年月かけて登ろうかな。泥など気にせず、転がるように下山し、時に道を譲り譲られしながら段々登山者は増えているようだった。1時間半で駐車場まで戻ってくると、ドロドロになった靴はスーパー袋に入れ、やはり草履が落ち着く。下山届も忘れず出した。

昨日から風呂に入っていないので柳津温泉郷に行く。運転しながら、このなんともいえぬ、頭をがあんと殴られたような、たくさん泣いた後のようなスッキリした感じがした。朝に運動するとこんなに気持ちいいとは素晴らしい!と思いながら走る。観光案内所の前に大きな寺があり、撫牛という、撫でると願いが叶うという牛型の銅像があったので撫でてきた。温泉は沢山あるものの、どれがいいか分からないし、いいなと思ったところは断られてしまったので、昨日の反省を生かし、とりあえず蕎麦を食おう!ということで蕎麦屋へ。贅沢にも、天ぷら高遠そばを食べた。これこれ。蕎麦は美味しい。一番好きな麺類である。会津には沢山のお蕎麦屋さんがあり、蕎麦巡りなんかしたら楽しいだろうな。るろ剣斎藤一は蕎麦が好きな設定だが、よく分かる気がした。自らソバの実を栽培し、石臼で挽いて、蕎麦を練り、切り、茹で、稲作の合鴨農法した後の鴨達を捌き、鴨蕎麦を大晦日に作って食べるのが細やかな夢だったりする。天ぷらもタラノメと行者ニンニクとワラビ、フキノトウの山菜と野菜達が付いてきて、完食致した。

結局お風呂は旅館の日帰り湯ではなく、月見ヶ丘町民センターへ。これがまた当たりだった。料金は安い、人はいない、景色はいい、お湯もいい。登山後の温泉は染みた。湯上りに牛乳瓶で、会津べこの乳という結構有名な牛乳を飲む。85℃、15分殺菌の美味しい牛乳だった。

さて、最後に行きたいと思っていた大内宿へ。昔の宿場町、茅葺き屋根で昔ながらの屋敷にお土産屋さんや蕎麦屋さんが並ぶ。高台から見下ろすとるるぶにある写真ぽくなった。しかし言うなればショッピングなので、そんなに長居はしなかった。

明日は朝早くにレンタカーを返すので、なるでく近い道の駅へ。道中、結構長い距離であおり運転に会いイライラ。途中ミニストップに立ち寄り、おにぎりを買うと消費期限が近かったため貰えることに。これで機嫌は戻る。ゲンキンなやつ。

今回の旅はほぼ車中泊、総距離2500kmくらい運転していて、道の駅さまさまである。日本は、道の駅もあるし、銭湯もあるし、永遠に車で旅できるだろうなぁ…。そんな旅も今日で終わり。多分しばらく、ぽっかり穴が空いた感じになるけど、今回学んだことや新しくできたやりたいことや、次の留学準備などで埋めていこうと思う。やはり、東北は言葉で言い表せないほどよかった。牛にまつわる多くの場所にも訪れることができ、古き良き日本を見れた。また来たい。そしていつか住んでみたい。そしたらもっと深く知り、好きになると思う。そう思う。

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