Swizerland Day40

7時過ぎに目覚め、他の人を起こさぬよう静かにシャワーを浴びに行き、支度した。朝食は込みだったので、久しぶりに熱いコーヒーを飲んだ気がする。

 


チェックアウトしても荷物は置いてていいとのことでありがたかった。昨日のオーストリア人の子は今日ユングフラウに行くらしく、グリンデルワルド駅まで一緒に行った。バス停前で別れ、私は暫くバスを待った。今日の午前中は、グリンデルワルドからバスで30分くらい登ったところにある、busalpという地域に向かう。トレッキングの格好をした観光客が結構乗っていた。バスは、こんなとこ通ったら落っこちてしまうよ、と思うくらいの狭い崖道をあがっていく。一車線なので、カーブはクラクションを鳴らしながら。少しガスっていたが、雨ではないことに感謝しながら、窓の景色を眺めていた。途中いくつかバス停があるので、お客さんは降りたり乗ったりを繰り返しながら、busalpを目指した。

 


あともう少しで着くというところまで来た時、遠目に白いものが点々と動いているのが見えた。まさか…牛?近づくにつれて形がはっきりしてきた。牛だ!超急勾配のところへ放牧されている。心が躍る。そして終点に到着。バスを降りると、カウベルの音が響く。この臨場感。なにこの世界。素敵すぎる。靴だけは立派だが、後はなにも登山の用意をしていない丸腰の私が、他の客よりも早く、山に駆け出していた。

 


あぁ、ハイジはこういうところから来たんだなぁとしみじみ思った。牛たちは全然人を気にせず、草を食べることに専念している。電牧はほとんどなく、超自由放牧。何軒か酪農家がおり、ここまでロータリーが来れないのか、冷たい湧き水を溜めて、そこにバケットごと冷やしていた。昭和の時代だ…!本当に幸運でだんだんと靄も晴れ、太陽が顔を出した。息を飲む景色、カウベルと牛が草を食む音、時々ハエ。なにもかも同じ世界のこととは思えない。乾いた牛の糞にポツポツ穴があいているのさえ可愛い。写真を夢中で撮っていたらあっという間に2時間が過ぎてしまった。去年だったか、スイスのこのように牛が放牧されている場所で観光客が牛に襲われて死亡し、責任は農家が被り、賠償金を払うこととなった。そうなれば、放牧を自粛せざるを得ない。この素晴らしい環境を維持するのはとても大変なことであるし、もちろん政府のサポートがあるのだろうなぁ。

 


帰りは私と老夫婦の3人しか乗っていなかった。元来た道を帰り、バスを降りて宿に荷物を取りに行く。途中、スーパーでラズベリーとリンドールのホワイトチョコを買った。スイスに来たのだから、スイスのチョコを食べようと思ったが、今日は気温も高く、後で溶けて大惨事になることはこの時知る由も無い。

 


バックパックを背負っても下りは楽に感じた。グリンデルワルドからインターラーケンに戻り、そしてベルンまで戻り、今日はグリュイエールを目指す。出発したのが14時だったので、着くのが17時となってしまう。車内ではうとうとしたり、景色をみたり、音楽を聴いて過ごした。途中の駅で一時停車している時に、窓越しで別れ際にカップルが熱烈なキスしているのが見え、これも日本人はやらないなと思って眺めた。

 


そして今bulleに着く。売っているパンは黒パンではなくなり、バケットになった。人々もフランス語を話している。バケットを買ってからグリュイエール行きの電車を待つ。ここから10分ほどで到着である。グリュイエールの駅の向かい側すぐにチーズ工房があり、見学ができるのだが、ホテルのチェックインが18時までだったので、とりあえずそれを目指す。小さな村で観光地化しており、急勾配の坂や階段を登っていかねばならない。息を切らしながら登り切ると、可愛らしい広場になっていてお土産屋さんやレストランが並ぶ。その内の1つが今日の宿である。チェックインのお兄さんは気さくで、ボンジュールと言ってきた。久しぶりの1人部屋。羽を伸ばしている間も無く、チーズ工房が閉まるかもしれないので急いでもと来た道を戻り、中へ入ると、今日の加工は終わってしまってビデオになるけど?と。うーん、他のもみたいし、残念ながらチーズセラーだけみて諦めた。グリュイエールチーズをひとかけら買う。そしてまた来た道を戻り、村を散策した後、18時半前には店も閉まり始めたので、部屋に戻った。

 


今日は14km歩いていた。もうぐったりなのだが、明日のLausanneからParisまでの指定席予約をしなければならなかったことに気付き、アプリと戦った。なかなか上手いこといかず、2時間くらい格闘し、何とかeチケット獲得。帰りの分も抑えた。ここで力尽き、寝落ち。

 

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