岩手 Day5

 

浄土ヶ浜から朝早いうちに釜石へ移動。朝に移動するのは道路が空いているから。真新しい道路や作りかけの防波堤、住宅街もまだまばらである道を駆け抜けて、秋から始まるラグビーワールドカップ会場のグラウンドを覗き見たりしながら釜石の道の駅に7時くらいに到着。開店まで2時間弱。Youtubeでひたすら津波当時の動画を見たり、海外から見た日本人対応の記事を読んで過ごした。3月から1ヶ月と少し海外に行って、考え方や国民性が全然違うことを知り、共同体として出る杭は打たれるとか村八分といった言葉があるように、目立ちすぎる個人は良いと思われない風潮や、最近では核家族化が進み、田舎感は払拭されつつも温かみは失った感じがしてならないといった印象を受けて、日本の良くない部分しか見えていなかったが、東北に来てから、あぁやっぱり日本はいいなぁと思う。海外に行って間髪いれずにみちのくに来たのは大変良かった。自然林が豊富で人々は優しく、壊れそうなしかしまだ現役の茅葺き屋根の家屋や牛舎、田植え前の景色が反射する田んぼ、鶯とカエルの声、きれいな水、塩おにぎり…。一番いい季節に来たから、冬の過酷な部分を見ていないのでなんとも言えないけど、やはり東北はいい。決定的なことは何もないのだが、八農に入る前から岩手に興味があって、奥州市で就農シミュレーションもした。以前岩手大学編入学試験を受けた時に、面接官からなんで岩手なの?と言われた時、何でだろうと自分でも思ったが、やっぱり何でなんだろう…?しかしながら、とにかく居心地が良いのである。

遠野の道の駅に到着。手作りコーナーを見ると、とても種類豊富で色々買ってしまった。特にお弁当はえ?これでたった500円?!と思えるほどのボリュームと野菜たっぷりで満足した。あと、ずっと前にNHKプロフェショナル仕事の流儀で多田克彦という酪農家兼パティシエの人の特集を見たことがあったが、まさか遠野の方だったとは。牛乳にちなんだスイーツが沢山売られており驚いた。しかし飲用乳はないようで、個人で殺菌プラントを持つのは大変だということが伺えた。

遠野ふるさと村で、観光箇所を5つまわれる共通券を購入した。ふるさと村では曲り家に出入り自由となっており、茅葺き屋根とすすの香りを堪能した。そういえば昔は茅葺き屋根に住みたくて、図書館に行って受験勉強に飽きたら、日本建築や郷土の暮らしみたいな本を読み漁っては妄想を膨らませていた。やはり日本家屋にら憧れる。

伝承園でオシラサマ(遠野物語で馬と少女の話)を見て、記念だと思い願い事を布に書いて飾ってきた。

カッパ淵にも寄ったが、お寺の後ろにあり、居住区の中にひっそりとある感じで、きゅうりが吊るしてあった。人気が少ないだけに雰囲気はある。

券を消費するためにどこに行こうかと思って、いる場所から近かった悟道の里山へ。しかしここはオープンしたばかりでまだ準備中といった感じで、入ると誰もおらず、庭師っぽいおじさんに券を見せて通してもらう。わけがわからぬまま曲り家を覗くと、若い女性スタッフが案内してくれるという。この子と世間話を結構して、遠野の事とか、この施設の概要とか、地震のこととか、色々話した。どんな事も裏側を知るって面白い。私が今日で最初の客らしい。彼女は私よりだいぶ年下だった。同い年は殆ど遠野からは出たと言っていた。東京で働いてる子たちは、給料は高いけど、生活費も高い。ここは給料は低いけど、生活費も低い。結局残る金はどっこいで、内容もきつくない、と。彼女の言葉にはっとする。

そんな感じでほぼ観光せずに17時になってしまい、他の施設が閉館したので券が2枚余ってしまった。まあ、元は取れたしいいかなぁ。

みやもりまで行ってスタンプを集め、めがね橋の写真を撮り、夕ご飯としてお弁当を食べ、明日南三陸に向かうために道の駅さんりくで一晩過ごした。

 

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