青森 Day4

5時に二度寝から目覚め、尻屋崎を目指す。7時ゲート開放なのだが6時に着いてしまい、ゲートの目の前で待機する。目の前にはすでに寒立馬がいたので写真をパシャり。しばらくすると、管理者らしきおじさんがどこからともなく現れ、馬たちに餌をやり始めた。私に気付くと、車はまだ入らないけど、人間だったらいいんよ、と言って、中に入れてくれた。目の前にこどもの日に生まれた仔馬がいた。もう少し奥に歩いて行くと、昨日生まれたやつがおるよ、とおじさんが手招きしてくれたのでついて行く。今は出産シーズンかつ繁殖シーズン。4、5、6月に出産し、5、6、7月で種付け。馬の妊娠期間は約11ヶ月だから、寒い冬を避けるためにこのサイクルで行なっているらしい。寒立馬はペルシュロンやブルトンの血が濃く大きい。GWを過ぎると、雄馬を入れるらしい。GWは観光客が多いので危ないから避けるそうな。という話をしていると、真っ黒なでっかい馬が現れ、雌馬の群を追い掛け回した。雌馬たちは雄を蹴るなり、走って逃げていった。生まれたばかりの仔馬も一緒に。まさに風と共に去りぬ。おじさんはタバコを取り出し喋り続けた。今尻屋崎には22頭の雌馬と、2頭の種馬、この前生まれた2頭の仔馬がいる。雄の仔馬なら肉用、雌は2年は残して後継にする。宮崎の御崎馬の血が濃くならないよう、ずぅーっと前のことだが種馬を送ったことなどなど。いやぁ、朝イチに行ってよかったね。こんな話が聞けるとは。おじさんはすぐ近くの宿舎に住んでおり、寒立馬と少々の牛たちの世話をして暮らしているらしい。気楽でいいわぁ、とタバコの煙をふぅーっとしながら言ったのがどことなくF先生に似ていた。気づいたら8時前になっており、おじさんに別れを告げ灯台へ灯台は工事中だったが、誰もいない朝日の映える岬はとても綺麗だった。ゲートは反対側はまだ開かないので、元来た道を引き返す。

 

次に目指したのは六ヶ所原燃PRセンター。周りには風力発電の風車が沢山立っていた。例のごとく、私しか観光客はいない。建物に入ると、何人も女性スタッフがおり、明るく出迎えてくれた。ここは原発で使ったウラン等の燃料をリサイクルするのと、使用済み核燃料の埋蔵処理候補地、石油の貯蔵などの役割を果たしている。子供向けの科学館みたいな感じだったが、大人が見ても分からないくらいの説明もあってもはや誰向けなのかわからなかった。結局、核燃料は30年50年した後、地中に埋めることになるのか…。今、石油や天然ガスを燃やして二酸化炭素を増やすか、それらは出さないけど、永久年残る核のゴミを出すのか。自分たちは当たり前に電気を使っているけど、その代償となる土地があることを忘れてはならない。施設が安全なのはよくわかったけど、結局は助成金の代わりに、人があまりいない過疎地域を核の捨て場としたのではないだろうか。どっちが悪いわけでも、正しい答えがあるわけでもないが、施設中に展示してある文章を読みながら、複雑な気分になった。

 

気をとりなおして、道の駅しちのへへ。ここでランチ黒酢和え定食を食べた後、八戸方面へ向かうべく、国道4号線を走った。少し時間があるので八戸センターへ。魚介類や野菜などが市場のように売られていた。平日の変な時間はお客が少なかった。酒屋でりんごのお酒シードルを買った。牛乳のリキュールというものを見つけたが、田野畑産だったのでこれは岩手で買おうと思う。

ENEOSで給油後、15分前に無事レンタカーを返却。微妙な長いキズを見て、あれ?こんなのあったかな…とつい見つめてしまったら、新米のお姉さんが先輩スタッフに聞いてきます、と聞きに行ってしまった…。スタッフが出てきて、山道とか走りましたか?と聞かれ、言葉を濁す…。あ、山道というか国道は走りました。と答え、国道ですか…という返事。嘘はついてないもんね。ワックスでこすれば消えるキズだったのでなんとかOKということに。そんな勢いよく擦った覚えないし…。そういうこともあるもんだなぁ。

八戸駅に移動。いとこに連絡する。仕事で少し遅くなるとのことで、なんだか申し訳なくなる…。18時頃迎えに来てもらい、鯖料理をご馳走に。とても美味しかったのと、やっぱ日本人は魚だよなぁ、と思った。まだ時間があるので、どうする?と近くにあった神社に歩いていった。夜の神社って中々怖い。二礼二拍一礼した後、あ、鈴鳴らしてなかったとか、手と口をゆすいでなかったとか、結局ぐたぐだになったが、思い出となった。

駅まで送ってもらい、少し話して見送ってもらった。いとことはいえ、あんまり会ってこなかったから中々実感なかったけど、友達のように楽しかった。これからはもっと連絡をとりあってもいいのでは、と思った。トンガがそうだったように。

 

21時の新幹線で八戸から一ノ関に向かう。今日はホテルに一泊し、明日は前沢の博物館で剥製教室に参加する。楽しみだ。

 

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