France Day42

起きて朝食の部屋に行くと、無人でセルフサービスになっていた。近所のパン屋さんで買われたと思われるクロワッサンやルパンが置かれ、小さな冷蔵庫にチーズやジャムが入っていた。ルパンにバターをつけるだけでこの上なく美味しかった。

 


ポーチだけ持って外に出る。今日はカマンベール村まで片道4km歩くのだ。天気はそこまで良くはなかったが、雨が降っていないだけありがたいと思わなければ。一直線の道なので迷うことはない。ゆっくり歩いてもすぐに街の外に出て田舎道になった。牧草地や放牧地が広がる中、可愛らしい家がぽつぽつ建っている。周囲を木々やバラで囲んであるため、向こう側に何があるとかがわかりにくい。歩いていると、乳牛らしき影が。ノルマンディー種か!と思い、10分ほど坂を登ると開けていて確認できたが、ホルスタインだった…。いやいいんだけどね。彼女らはリンゴの木の下の牧草を食んでいた。

 


また暫く行くと、遠目に牛影が…!今度こそノルマンディー!だったのだが、バラに囲まれて近づくことができない…。隙間からちらちらと見えるだけ。くそう。

 


そうこうしている間にカマンベール村にたどり着く。welcom!という看板に従い、坂を登るとツーリズムと書かれた建物とミュージアムがあった。先にツーリズムの方に入ると、そこはお土産屋さんも併設しており、たっくさんの牛グッズが。思わず見るのに夢中になる。そして、ヨーロッパの牛の種類が書かれたポスターがあった。これはどうしても欲しい!散々迷った挙句、店のおじさんに買います、と言ったら、これ丸められないんだよね、厚紙だから、と言われた。そしてまた迷う。でも明後日に一時帰国するからなんとかなるんじゃないか、明日は電車に乗るだけだし…、と思い切りやはり買うことにした。おじさんには、ノルマンディーの牛を見るためだけにフランスに来たの!と力説したら、それじゃあ…みたいな感じになって、飛行機に乗せるならプロテクトしないとと段ボールで包んでくれた。また、こっから2km先に、ノルマンディー牛を飼っていてカマンベールを作っているフェルミエ(チーズ農家)がいるけど、車で送って行ってあげようか?と…。是非、是非お願いします、メルシーボクぅぅぅ!と言って送ってもらう。販売所と牛舎が併設したお店で、店先のテーブルで何人か座っていた。するとおばさんが立ち上がり、今日はカマンベール売れちゃったよと言った。え、じゃあ次にオススメなのは?と英語で聞いたら、私英語わからないの、と言われた。私もフランス語わからないの。とりあえずボディランゲージでこの牛が見たいし、写真撮りたいの!と伝えると、今搾乳が終わって放牧しているところだから、好きなだけ見てきな、となった。メルシーボクぅぅぅ!牛舎の裏側に行ってみると、いるわいるわ、ノルマンディー種!君たちに会いたかったのだよ、私は!夢中で写真を撮ると、ホルと比べてやや警戒心が高いのか、なかなか心を許してくれないが、まあいい。なんといっても、ぶちぶちの中の模様が黒と茶色の虎毛になっているのが綺麗だし、目の周りは必ず色が付いていて、パンダ牛との別名にも納得である。顔はちょっとブサイクだが、たまらん。という私はもう変態レベルだと思う。子牛舎にいっても、ちっこいパンダ牛がうろちょろしており、一斉に私の方を見る。面白い顔。もともと乳肉兼用品種なので乳量は高くなく、最近ではホルスタインを飼う農家が増え、またノルマンディーとのクロスブリーディングもしているらしので、ピュアノルマンディーは数を減らしつつある。しかし、ここにしかいない品種であり、本当に来て良かったと思うばかりであった。

 


店に戻ると誰もいなかったので、店内の商品を見ていると、おばさんが戻ってきて、カマンベール、1個なら用意できるわとのこと。ほんとメルシーボク!迷わず購入して、大満足でカマンベール村の方へ帰った。まだミュージアムの方を見ていないので、行ってみると14時から。1時間くらい待たないといけないけど、ここまできたのだから待つよ、そのくらい。周りを練り歩き、適当に時間を潰した。ミュージアムはカマンベールの歴史や製造方法が展示してあり、ほぼフランス語だったけど、図などを見て楽しんだ。その後、もう一度お土産屋さんに戻ると、カマンベールの食べ比べができるという。車で送ってくれたおじさんにもう一度会い、3種類のカマンベールを試食。熟成の軽いもの、重いもの、生乳で作ったものだった。値段的に、価値的には後者の方が高いが、私がおいしいと思ったのは真ん中のやつだった。しかしカマンベールという1つのチーズにしろ、沢山の種類が存在する。だからチーズは面白い。

 


そして帰り道も4km歩く。大きなポスターを段ボールに包んだものを持って。誰一人として歩いている人はいない中、この格好は目立っただろうなぁ。右手が疲れたら左手に持ち手を変えつつ、街まで帰ってきた。

 


ホテルに荷物をドンと置いてしばし休憩をした。お昼を食べていなかったので、農家で買ったカマンベールを開ける。ふむ、昨日のよりクセが強くてクリーミーだった。昨日買ったやつを開けてみると、常温で放置したためか溶けていたし、今日買ったやつも既に溶けていた。やはり、バックパッカーとしては、要冷蔵のものを買うこと自体、難しいなぁ。完食はできずとも、思う存分カマンベールを食べて、横になっていると既に18時だった。

 


今日買ったポスターをなんとかガムテープで止めなければならなかったので、スーパーへ買いにいくと、食品の他に生活用品が真ん中に粗末に置かれていた。奇跡的にガムテープ発見。しかし3つセット。こんなにはいらないので、横にあった、白赤ストライプのガムテっぽいやつを買ってみる。そして部屋で確認してみると、ただのビニール…!なんの需要があるんだこれ!?これでは固定できないので、明日出直そう…。外がなんだか騒がしい。隣のレストランが盛り上がっているようだ。21時過ぎてもまだ明るく、日本よりは高緯度なんだなと思う。

 

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